用途地域別の規制 家を建てる際に、その土地にどれくらいの大きさの家が建てられるかを定めたのが、12種類に分類された用途地域です。それぞれの地域ごとに建築制限が設けてあります。工業専用地域以外はどこでも家を建てることができます。比較的規制の緩い工業、商業地域に対して住宅地は規制が厳しくなっています。特に低層住居専用地域は最も厳しい規制によって守られているのです。規制の内容としては、建蔽(ぺい)率と容積率、斜線制限などがあります。
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用途地域 |
特 徴 |
容積率 |
建ぺい率 |
住 居 地 |
第1種低層住居専用地域 |
低層住宅の良好な環境を保護する地域 |
50 60 80 100 150 200 |
30 40 |
第2種低層住居専用地域 |
低層住宅のための地域だが、小規模な店鋪は可 |
第1種中高層住居専用地域 |
中高層住宅のための地域で、住宅以外の建築物に制限 |
100 150 ,200 300 |
50 60 |
第2種中高層住居専用地域 |
中高層住宅のための地域だが、建築可能な建物が増える |
第1種住居地域 |
大規模な店鋪や事務所の立地を制限する住宅地 |
200 300 400 |
60 |
第2種住居地域 |
工場や劇場などの立地を制限する住宅地 |
準住居地域 |
小規模な作業所などと住宅が混在する地域 |
商 業 地 |
近隣商業地域 |
商業施設と住宅が混在する地域 |
200 300 400 |
80 |
商業地域 |
店鋪や事務所などのための地域 |
200 300 400 500 600 700 800 900
1000 |
工 業 地 |
準工業地域 |
危険物を除く工業のための地域 |
200 300 400 |
60 |
工業地域 |
工業のための地域 |
工業専用地域 |
工業専用なので住宅は建てられない |
30 40 50 60 |
無指定地域 |
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400(100 200 300) |
70(50 60)
| | 建蔽率と容積率
建蔽率とは敷地面積に対する建築面積の割合のこと。容積率は敷地面積に対する延床面積(各階面積の合計)の割合のこと。用途地域によってこれらは規制されています。広い土地を購入してもこれらの規制によって居住スペースが予想外に小さくなることがあります。また建築面積や延床面積が算入されない部分や、さらには延床面積には含まれても容積率には条件によっては算入しなくてもいよい部分もあるため、これらを上手く活用して広い空間を築くことができます。 |
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 | 道路斜線制限
建蔽率や容積率が面積の制限なのに対して、高さの制限もあります。1種と2種低層住居専用地域では、建物の高さは10mもしくは12mと決まっています。 角度が小さいほど高さが低くなるため高い建物は建てられなくなります。道路斜線は住宅地域のほうが角度は小さくなります。北側斜線は低層と中高層の住居専用地域にだけ適用され、低層地域のほうがより厳しくなります。 |
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 | 道路幅との関係
幅4m以上の道路に敷地が2m以上接していなければ家を建てられないという規制もあります。4m未満の道路の場合については、図5のように敷地の境界線を後退させなければ家を建てることができません。また、敷地が道路から離れている場合、4m以上の道路に路地を通し、しかも2m以上接していなければなりません。 |
 | 境界線
民法において、建物を建てるときには境界線から50cm以上離れていなければならないと定めています。基本的には外壁の位置を指しますが、ベランダなどが境界線側にある場合は、ベランダの先端が対象となります。 |
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◆防災地域と準防災地域
用途地域規制のほかにも、防火を目的として建物の構造を規制する防災地域と準防災地域の指定があります。防火地域では3階建ては必ず耐火建築とし、準火災地域では準耐火建築としなければなりません。耐火建築では木造は建てられませんが。準耐火建築では一定の防火性能が認められれば、木造でも建築可能です。
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